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「ある臨床心理学者の自己治癒的がん体験記」 山中寛 金剛出版

最初に申し上げますが、著者の山中氏は本書を書き上げた1週間後に永眠されています。肝臓転移の大腸ガン発見(2009年)から7年。余命1年を宣告されてから6年でした。

 

山中氏は、臨床心理学者として大学で教鞭をとる傍ら、スポーツカウンセラーとしても活躍。シドニーオリンピック硬式野球チームなどに帯同。選手が実力を最大に発揮できるよう、メンタルサポートに尽力されました。

 

そんな臨床心理学者とて人の子。ガン告知に、「ガン=死」という先入観に囚われ、死の恐怖に怯えます。手術を受けるも、その後の投薬でアレルギーが発現。標準治療以外の情報を収集し始める。

 

体験談に触れ、ホリスティック医療を学び、専門の心理技法をアレンジし実践することで、死やガンの恐怖を収め、ガンとの付き合い方が変わっていきます。その推移が克明に記されていて、病に対する心的構えの考察はたいへん参考になります。

 

山中氏が実践した漸進性弛緩法、自律訓練法、動作法は、体を介してこころの活動を安定させるのに有用です。また、自己観察法、イメージ法は、漠然とした不安を落ち着かせるのに役立つでしょう。

 

本書を世に出すというライフワークを、見事に果たされた山中氏を讃えたいと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

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